「良い牧場」と「悪い牧場」①

こんにちは。

今回は前回のブログで告知した「良い牧場」と「悪い牧場」について獣医師という視点から書いていきたいと思います。

もちろん、獣医師ではない一般の方でも、牧場に行った際にその牧場が良いか悪いかを判断するポイントをお教えします。

まず、「良い牧場」を一言で表すと「牛を第一に考える」ということです。

「牛を第一に考える」とはどういうことかと言いますと、

①飼育環境が清潔

②病気が少ない

③従業員が牛に合わせて生活をしている

などのことが挙げられます。

飼育環境が清潔かどうか判断するポイントととしては、

  • 牛舎(特に天井)にくもの巣がない
  • 牛の体に糞がついておらず綺麗
  • 牛舎の通路に敷きワラや糞など無駄なものなく、飼料も所定の場所にきちんと置かれている
  • 農場の入口に石灰がまかれ、牛舎の入口に消毒槽(靴に付着した細菌などを殺すための液体が入った容器)がある

などです。

この4つのポイントは一般の方でも牛舎に行った際に確認できることなので是非見てみてください。

1つ目のくもの巣に関しては、牛舎では大きな問題になります。

くもは風の通りが悪い場所に巣を作る傾向にあり、特に牛舎では天井に作ります。

農家さんはくもの巣を取らない方がほとんどですが、牛のことを考えてる方は綺麗に取っています。

2つ目の牛の体に糞がついておらず綺麗という点では、現在日本の酪農はほとんどが牛1頭1頭がロープにつながれている”繋ぎ”という飼い方をされています。

この飼い方が良いか悪いかはまたブログで書こうと思いますが、牛は繋ぎで1.5畳程のところでエサを食べたり、トイレをして生活しています。

農家さんが定期的に綺麗にしなかったり、バンクリーナー(糞尿を牛舎に出すための溝)に上手く糞尿が落ちなかった場合、牛床に糞尿が溜まり、そこで寝起きした際に体についてしまいます。

糞尿が乳房についてしまうこともよくあり、その乳房から搾乳した牛乳が市場に出回るとなると。。。嫌ですね。。。

3つ目の牛舎の通路に敷きワラや糞など無駄なものなく、飼料も所定の場所にきちんと置かれていることに関しては、敷きワラや糞尿、エサは細菌やウイルス、寄生虫などが増殖する最高の場所となります。

その場を綺麗にすることで病気の発生が抑えられます。

4つ目の農場の入口に石灰がまかれ、牛舎の入口に消毒槽があるというのは、車両や人の出入りによる伝染病にかかるリスクを少しでも減らす効果があります。

しかし、石灰で車両が汚れたり、毎日消毒槽の液を変えるのを面倒くさがる農家さんがほとんどの中で、これをやっている牧場は牛を第一に考えていると僕は思います。

以上のように、良い牧場のポイントをいくつかあげましたが、ここで注意することがあります。

観光牧場など大きな牧場ではお客さんが見に来る牛舎だけはピカピカで、お客さんを入れない牛舎は悲惨というところもあります。

あまり大きな声では言えないですが、結構有名な牧場がそのような飼育環境というのが現状です。

ですから、1つの牛舎を見たからといって全ての牛舎が綺麗とは限りません。

そこの飼育頭数を聞いてみて、その頭数よりも実際に見た頭数が圧倒的に少なかったら他の牛舎は汚い可能性が高いです。

スタッフさんに「他の牛舎も見れますか?」と試しに聞いてみるのもいいかもしれないですね(笑)

恐らくスタッフさんは「環境衛生上、他の牛舎の見学はお断りしております。」ということでしょう。

断られたなら、「なぜこの牛舎は見ていいのでしょうか?」と聞いても面白いかもしれないですね!(迷惑な客だ!と思われても悪しからず。。。笑)

綺麗な牧場で清潔さに自信があればしたら「見ていいよー!」と気軽に言うことでしょう。

大体、「環境衛生上~」とか言ってお客さんを入れないよりも、飼育環境が汚いことで病気になるリスクの方が圧倒的に高いと僕は思います。

皆さんも想像してみてください。

部屋がゴミ屋敷状態のところにずっといたら、ストレスになり、また虫が湧き、カビが生え、そして病気になるということは容易に想像できると思います。

逆に広い綺麗な部屋で生活していた場合、時々お客さんが来たとしても病気にはなりにくいと思います。

次回は②病気が少ない、③従業員が牛に合わせて生活をしているの2点について書いていきたいと思います。