こんにちは!
今回は世間では獣医大学に入るのは難しいと言われてますが実際どうなのか書いていきます。
まず、皆さん獣医師になるためにはどうしたらいいかご存知でしょうか。
簡単な流れを書きますと、
獣医学科に入学 ⇒ 6年間学ぶ ⇒ 獣医師国家試験に合格する ⇒ 獣医師免許取得
ざっと書きましたがこのような流れになります。
今回は獣医学科に入学する際のことについてお話します。
獣医学科がある大学は全国に国公立11大学、私立5大学の合計16大学あります。
まず、この16大学のうちのどこかに入学試験を受けて合格しなければなりませんが、獣医学科合格は医学部と並んで狭き門と言われています。
一般入試の場合、偏差値は最低60以上、倍率が15倍以上もあり、本当に優秀な人でなければ入れないと世間では思われています。
しかし、実際はそんなことはないと思います。
実際、僕は某大学の公募推薦を受けて合格をもらったのですが、この時の倍率はなんと1.8倍…
合格する人の方が多いということです。
確かに公募推薦を受けるには高校3年間の評定が4.2以上という条件はありましたが、この条件さえクリアして、センター試験より少しだけ難しい英語の筆記試験(この点数次第で合否はほぼ決まる)を受けて、自己紹介文を書いて、面接を受ければ半分以上が合格できるのです。
僕ももしこの公募試験に合格していなかったらほぼ確実に獣医学科は受かってなかったと思います。一般入試では入れる学力になかったので…笑
では、なぜ世間では獣医学科に入るのは大変と思われているのでしょうか。
それは定員数にあります。
獣医学科の全大学の合計定員数は約900人。(私立:1大学平均100人前後、国公立:1大学平均30人前後)
一方医療系の学部で比べてみますと、医学部は約9000人、歯学部は約2700人、薬学部は約13000人。
1番少ない歯学部でも獣医学科の3倍の定員数となります。
現在、歯医者が飽和状態と言われている影響で、歯学部への志願者は減少傾向にあり、偏差値も下がっている状況です。
しかし、獣医学科は常に人気の学科で志願者数も多いが、それに比べて定員数が少ないということで偏差値が高くなり、入るのが難しいと言われています。
では、医学部と獣医学科ではどちらが難しいのか。
これは確実に医学部です。
周りからは「獣医師になれたんだから医者にもなれたでしょ~」とよく言われますが、そんなことはないと思います。
医学部も人気の学部ですが、それと同時に定員数も獣医学科の約10倍あります。
ですから、偏差値で見ればそんなに違いはありませんが、入学試験の内容の難しさで比べると雲泥の差と言っていいくらいかもしれません。
しかし、獣医学科に入るためにもそれなりの学力は必要ですので悪しからず…笑
また、どちらが難しい云々よりも実際は医学部志望の方は医学部一本、獣医学科志望の方は獣医学科一本というようにはっきり分かれている気がします。
6年間大学で過ごしてきて、また働き始めて色々な獣医学生、獣医師の方にお会いしましたが、「私、医学部落ちたから獣医学科来たの~」というような方には一度もあったことがありません。
実際、医学部志望の方が獣医学科に入ったら、「こんなはずじゃなかったのに…」と思ってしまうのではなかと思います。
ここで獣医学科への受験を考えている方にお伝えしたいことがあります。
“動物が好きかどうか、将来動物に従事する仕事に就きたいかどうか”
これだけは心に留めておいて欲しいと思います。
獣医学科に入るのも学生時代の大変、入ってからの勉強も大変、獣医師になってからも毎日が大変で嫌になる時もありますが、本当に動物が好きだからこそ大変な時でも頑張れます。
最後にこれから獣医学科への受験、もしくは獣医師を目指す獣医学生に僕の大好きな言葉を送ります。
“Boys, be ambitious”
これは獣医学科の中でも難関大学の一つである北海道大学の初代教頭 William Smith Clark が発した言葉で日本語でも有名な “少年よ、大志を抱け” というフレーズです。
本来ならば Boys, be ambitiousの後に like this old man と文章が続き、 “Boys, be ambitious like this old man”となり、直訳すると “この老人(=私)のように、あなたたち若い人も野心的であれ” という意味になります。
受験生、獣医学生の皆さんも是非、獣医界、動物界に貢献できるよう、また僕自身も “牧場を作る” という大志・野心を抱きながらお互い頑張りましょう!
“Boys, be ambitious”