こんにちは!
皆さんは獣医学生の就職先にはどのようなものがあるかご存知でしょうか。
就職先には大きく分けて、①小動物臨床、②公務員、③大動物臨床、④製薬会社やペットフード関連の企業、⑤大学院、⑥JRA、⑦水族館・動物園に分けられます。
①小動物臨床
小動物臨床とはいわゆる町の動物病院のことです。
小動物臨床に進む割合は全獣医学生の約60~70%と断トツで多い数字となります。
その中でも町の動物病院に勤める人が殆どですが、最近では大学の病院で”研修医”として2~4年働き、その後、町の動物病院で働くという人の割合も多くなってきています。
また、町の動物病院でもイオンなどの企業病院も増えており、福利厚生がしっかりしているということで、そちらで働く割合も増えています。
②公務員
公務員になる獣医学生は全体の20~30%程度小動物臨床の次に多く、小動物臨床と公務員を合わせると全体の80~90%になるので、ほとんどの学生がこの2つのどちらかに就職するということになります。
就職先としては農林水産省、各都道府県、各市町村があり、それぞれが管轄する家畜保健衛生所や捨て犬、捨て猫が集まる保健所、出荷される牛肉や豚肉、鶏肉が安全かどうか確認するための食肉衛生検査所、海外からの動物の輸入などの検査をするため空港や港近くに設けられている検疫所などに配属になります。
公務員は基本的に就労時間は17時までで、有給休暇や育休などの福利厚生もしっかりしているので獣医師の働き先としてはとても珍しい”超ホワイト企業”ということになります。
③大動物臨床
大動物臨床は産業動物臨床ともいわれており、牛、豚を診る仕事で、私もこれに当てはまります。
大動物臨床に進む割合は数%と少なく、私が卒業した時も130名程の同級生の中で大動物の道に進んだのは5人でした。
しかし、牛や馬を使った講義などが充実している地方の大学では大動物臨床に進む割合は少し増えるのではないかという印象です。
④製薬会社やペットフード関連の企業
主な仕事してはヒト用・動物用医薬品やペットフードの開発、販売、ペット保険の販売促進等が挙げられます。
就職先には国内だけでなく海外の製薬会社等もあるので、「英語が得意で海外で働きたい!」という方には合っているかもしれません。
⑤大学院
大学院が就職先に挙げられるかは分かりませんが、一応載せておきます。
獣医学科の大学院は医学部と同じで4年制となっており、研究し、数本の論文を書けば博士号を取得することができます。
博士号を取得した後は、講師を目指す道や動物病院に就職する等の道があります。
前者の講師になるのは理解できると思うのですが、ではなぜ動物病院に就職するのに博士号があったほうがいいのでしょうか。
あくまでも私の考えですが、開業した際に”○○年○○の研究で獣医博士号取得”と名乗れれば患者さんや同じ地域で開業している獣医師から頼られる存在になるというのが一番の利点かもしれません。
また、就職する際も専門知識を持っている人の方が病院側としても欲しい存在になります。
⑥JRA
JRA=日本中央競馬会で競馬場で走る馬を診る仕事で、採用人数は年数人です。
恐らくJRAは全就職先の中で最も倍率が高く、実際に受験する人の中で見れば5~10倍程ですが、元々諦めている人もいるので実質30~40倍くらいになるのではないかと思います。
ですから、その年に自分の大学からJRAに決まったとなれば「お前凄いな!」と皆から言われます。
噂ですがJRAに入るには頭の良さはもちろんですが、コネなども必要言われています。本当かどうか分かりませんが。。。
JRAの管轄は農林水産省なので身分は公務員となります。
競馬を知っている方ならご存知かもしれませんが、美浦や栗東等の厩舎や各競馬場に配属され、数年働いたら異動ということになります。
各競馬場でスタートの時にゲート付近でスーツを着ている人やスターター(馬がゲートに入る前に赤い旗を振る人)は全員獣医師だそうです。
入るのも大変ですが入ってからも朝が早い、馬は馬主にとって財産なので下手なことはできない等大変だそうですがその分給料は同期とは比べものにならないくらいいいです(笑)
また、余談ですがJRAで働き始めたら馬券は買うことができなくなるので、どうしても買いたいという人はJRAはやめておいた方がいいです。。。(笑)
⑦動物園・水族館
これはあまり知られていないかもしれませんが各動物園、水族館にも数名獣医師が在籍しています。
しかし、これも人気の仕事で空きが出ないと募集がかからず、募集がかかっても倍率が高いのが現状です。
ですから、卒業してすぐに動物園・水族館に就くことができなくても、動物病院等で働きながら空きがないか常にアンテナを張り、空きが出たらすぐ応募するという方も多いです。
各都道府県、各市区町村が運営している動物園、水族館は公務員という扱いになるので入ってしまえば安心です。
以上、獣医師の就職先について書きましたが、「こんな仕事もやっているのか!」など新たな発見はありましたでしょうか。
またこの記事が就職先で悩んでいる獣医学生の少しでも助けになればと思っています。
もし、聞きたいことがありましたら、コメント欄やTwitter(@Blog_Mareeba)までお問合せいただければお答え致します。