卯年になり、最近うさぎに関するニュースを目にする機会が増えた気がします。
特に「うさぎの飼育件数が増加している」といったニュースが多く、うさぎを日々診察している獣医師としては嬉しい限りです。
今回は最近目にしたニュースを自分なりにまとめ、考察したいと思います。
昨今、コロナ禍ということもありうさぎに限らず犬猫を含め、ペットを飼う人が増加しています。
私自身もTwitterでコロナ蔓延当初からペット増加に関するツイートをしていました。
ペット保険を扱うアニコム損害保険によると、自社のうさぎの保険契約頭数は2008年度(2,359頭)〜2015年度(3,384頭)まではほぼ横ばいでしたが、2016年度以降、年平均約145%の増加率で、2015年度~2020年度で約6.4倍に急増しており、2020年度は2万1,604頭に増加しました。コロナ前の2018年度と比較すると約1.8倍になっています。
また、うさぎ専門店「うさぎのしっぽ」は首都圏で複数店舗を展開しており、売上高はコロナ禍が始まった2020年が2019年比で約21%増、2021年は2020年比で約7%増。2022年上半期は、2021年同期比で約3%減とのことで、コロナ禍で家族連れを中心にペットを求める人が増加しています。
来店者のうち6割が女性ですが、熱心に世話をして何度も来店するのは、中年男性が圧倒的に多く、うさぎを求める人が増えた要因には、犬・猫の販売価格の高騰もあり、うさぎは数万円から購入できることから、費用面で考え直す人も多いとのことです。
横浜市動物愛護センターによると「うさぎは登録制度がないため飼育頭数は把握できていない」が、国内の家庭で飼われているうさぎは約75万頭(ワールドラビットファンクラブ推計)ともいわれています。
このようにうさぎを飼う方が確実に増えており、実際ホームセンターでうさぎが並んでいる姿を見たり、うさぎ専門店ができたりと、一昔前と比べても明らかにうさぎの需要が高まっていると実感しています。
現在、犬猫の飼育頭数はペットフード協会の調査では、2021年時点で犬:710万6000頭、猫:894万6000頭で、それと比較し、うさぎは推計75万頭(ワールドラビットファンクラブ調査)とまだまだ少ないのが現状です。
うさぎに関わる獣医師としてはうさぎが増えてくれることは勿論嬉しく思うのですが、それと同時に「卯年だから」や「犬猫は値段が高いからうさぎにするか」というようにあまり深く考えずに迎え入れてしまう可能性もあると危惧しています。
そうならないためにもこのサイトではお迎えする前の注意点や飼育環境、ご飯、病気などについてこれからも分かりやすく啓蒙していかなければならないと感じました。