うさぎ

うさぎを飼育する上での覚悟

ガラス製のうさぎの置物

皆さんはネットやSNSで「動物病院でうさぎを診察してもらってる最中に亡くなった。」や「半身不随になった。」などの投稿を見たことがありますでしょうか。

犬猫と比較し、うさぎの診察中の事故は多く、裁判に発展するケースもうさぎが最多となっており、犬猫よりも飼育頭数が少ないうさぎが最多となるのは飼い主様が「医療事故」と考えた結果であり、もちろん、今まで元気だったうさぎが急に亡くなくなるのは受け入れられないと私も思います。

では、なぜこのようなことが起きるのか。

それはうさぎは草食動物で自然界では肉食動物に食べられる側の被食動物で、捕食された際に他の動物よりも痛みを瞬時になくす生理機能が発達しているが故、息を引き取るのが早いと言われています。

確かに捕食されている最中に生き返ろうとするのは自ら苦しむ時間を長引かせてしまう行為でもあるので、うさぎのこの生理機能はある意味理に叶っているとも取れます。

しかし、この生理機能がペットという観点でみるとマイナスにしか働きません。

痛みをなくす生理機能があり、かつうさぎは犬猫と比較しストレスに弱い動物なので、診察中の保定(動かないように抑えること)などにより「襲われている」と感じた場合、自ら息を引き取ってしまうのではと考えられています。

もちろん、ほとんどのうさぎは保定や抱っこをされても特に問題ありませんが、過去に「キーッ」っと鳴いたことのある子や病気や歳を重ねて体力が低下している子、保定や抱っこをしている隙を見計らって跳ぼうとする子抱っこを極端に嫌がる子は特に注意が必要となります。

診察中で保定をする処置には爪切りや無麻酔での歯のカット、レントゲン検査、採血、超音波検査、注射、投薬など多くあり、一見簡単そうな爪切りや投薬も含まれており、これで亡くなってしまうの?と感じるかもしれませんが、極端にストレスを感じるうさぎはその可能性はあります。

うさぎの脚力は強く、跳ぶのも一瞬なのでうさぎの診察に慣れている獣医師だと優しく慎重に保定しつつも、跳ぼうとした場合はストレスを感じさせないよう押さえますが、あまりうさぎを診ない動物病院だと強く押さえてしまい、それがストレスとなり亡くなってしまうこともあり得ます。

しかし、ここで一つ伝えたいのはどんな獣医師もこのような事故を起こしたくて診察、治療をしているわけではなく、むしろそのうさぎの状態が良くなり、飼い主が笑顔になって欲しいという一心でやっているのは言うまでもなく、この点はご理解いただけたらと思います。

この記事を書くことでうさぎを飼っている方の不安を煽ってしまう可能性もあり、初めは書こうかどうか迷いましたが、うさぎについて知るのは飼育方法や病気についてだけでなく、万が一のことについてもお伝えした方がいいと考え、「うちの子はストレスを感じやすいかも」、「万が一のことも起こり得るかも」と少しでも心の中に留めておいていただきたいと思い綴りました。

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