ひと昔前に比べ、最近ではペットショップなどでうさぎを見かけることが多くなり、学校の飼育動物というイメージから愛玩動物へと世間の認識も変わりました。
そこで、今回はうさぎをペットショップやブリーダーから購入する際に確認しておくべきポイントを書いていきます。
1. 食欲の有無
うさぎを購入する上で一番重要なポイントが食欲旺盛かどうかになります。
もちろん好き嫌いが少なく、何でも食べてくれる子の方が良く、特に牧草の食べ具合を確認しておく必要があります。
うさぎは牧草をたくさん食べるほど腸や歯の病気にかかりにくくなり、健康な生活を送ることができます。
自分でフード入れを見てペレットの残り具合をチェックしたり、直接店員に「一番食欲旺盛な子はどれですか?」と尋ねてもいいと思います。
2. 食べている牧草の種類
牧草にはマメ科のアルファルファやイネ科のチモシー、イタリアンライグラス、オーツヘイなどがあります。
成長期にはタンパク質とカルシウムが多く含まれるアルファルファを与えますが、成長期を過ぎてアルファルファを与えていると太ったり、結石ができやすくなるので、成長期以降の維持期はチモシーを主食にします。
約6ヶ月で成長は止まるので、店頭に並んでいる6ヶ月齢のうさぎがどの牧草を食べているか尋ねてみましょう。
もしアルファルファを食べているとなると、「本当はチモシーに移行したかったがアルファルファしか食べない」など裏事情があるかもしれず、この場合、将来的に好き嫌いが激しい子になってしまう可能性があります。
また、チモシーを食べている場合でも何番刈りかも重要になってきます。
牧草には刈り取り時期が早い順に1番刈り、2番刈り、3番刈りと分かれており、1番刈りが最も栄養価が高く、繊維質も多く、2、3番と数字が増えるごとに栄養価、繊維質が低下します。
成長期以降の維持期にはチモシーの1番刈りを与えるのが良いのですが、店頭に並んでいる際に2、3番刈りを食べているとなると、柔らかく食べやすい牧草しか口にしない可能性もあります。
個人的には生後なるべく早い段階でチモシーに移行し、必要な栄養はアルファルファが主原料のペレットから摂取すれば良いと考えているので、生後2、3ヶ月でチモシーを食べていたとしても何ら問題なく、むしろそっちの方が将来的にしっかりとした腸が育まれると思っています。
3. 性格
うさぎにも人間と同様に性格があり、かまってちゃんな子マイペースな子、神経質な子、怒りん坊な子など様々なタイプがいます。
「飼いやすい性格は?」と聞かれた場合、迷わずマイペースなうさぎをお勧めします。
神経質や怒りん坊な子は少しの環境の変化で食べなくなってしまうのに対し、マイペースな子は自分の世界に入っているような感じで食べては寝てを繰り返しています。
店頭でも神経質な子はケージの隅に固まっているのに対し、マイペースな子は気にせず牧草を食べたり、だらーんと横になって寝ています。
種類や体の特徴でみますと、ネザーや面長な子は神経質な子が多く、逆にロップや顔が丸い子はマイペースな子が多い傾向にあり、動物病院に入院するうさぎも圧倒的にネザーの子の入院が多いです。
また、万が一病気になった際に動物病院で粉薬が処方されることがありますが、投薬するのに抱っこしなくてはなりません。
この場合も神経質な子や怒りん坊な子は抱っこが出来ず、投薬できないため、治るのに時間がかかることがあります。(うさぎの扱いに慣れていればどんな性格の子でも抱っこ及び投薬はできます。)
ですから、ペットショップなどでも実際に抱っこをし、膝の上で大人しくしてくれる子であれば自宅でも抱っこができると思います。
以上、うさぎを購入する上で確認すべきポイントを3つ書きました。
最後に少し話は変わりますが、うさぎのみならず動物を購入した経緯に「一目惚れしたから」というようなことを耳にしますが、動物を迎え入れるのに「一目惚れ」はあってはならないと考えています。
アクセサリーや洋服などの”物”は一目惚れで購入しても問題ありませんが、動物は物ではなく”生き物”です。
たとえ店頭で一目惚れしても、何度か足を運び、本当にお世話ができるのか、万万が一、飼えなくなった場合、譲渡先はあるかどうかなど考えに考え抜いて決めることが動物にとっても、飼い主にとっても幸せに繋がると考えています。