前回のブログでは飼育環境が清潔かどうかの見分け方を書きましたが、今回は②病気が少ない、③従業員が牛に合わせて生活しているの2点について書いていこうと思います。
②病気が少ない
これは①飼育環境が清潔というのと重なる部分もあるのですが、病気が少ない=飼育環境が良いということが一番に挙げられます。
病気が少ない牛舎は風通しが良く、病原微生物の温床となる糞尿や敷ワラが綺麗に片付けられています。
また、病気にかかったとしてもそのような農家さんは早期発見により重症化や他の牛への2次感染を防ぐことになります。
獣医師の間での「あそこの農家から電話がくるのは珍しい」というような会話も生まれてきます。
③従業員が牛に合わせて生活している
牛の一日の生活サイクルとしては
1.搾乳
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2. 食餌(朝)
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3.横になる・反芻
(反芻とは1回胃に入れた乾草などの餌を吐き戻し、再び噛むことです。牛がモゴモゴと口を動かしているのが反芻で最も重要な行動の一つです。)
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4.搾乳
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5.食餌(夕方)
を繰り返します。
牛にとっては3の横になる・反芻と言う行動が最も重要と言っても過言ではありません。
この横になる・反芻している時間にもし治療のために獣医師が立ち入ったり、従業員が牛舎で作業するとなると臆病な牛は全頭と言っていいほど人間の方を向きます。
あの大きな牛ですが皆さんが思っている以上に臆病で繊細で注射1本でも痛がります。
このようなことが重なるとストレスになり、結果として乳量が減ったり、病気にかかりやすくなると僕は考えています。
牛を第一に考えている農家さんは「なるべく牛が起きている時間に来て欲しい」などの要望をおっしゃり、僕たち獣医もそれに応えられるよう努力しています。
以上、2回に分けて「良い牧場」「悪い牧場」の見分け方を書いてきましたが、書いてる途中でもう1つ見分けるポイントを見つけました。
それは「牛が人懐っこいかどうか」です。
日本の酪農で主に活躍している牛は皆さんが牛と言ったら思い浮かべる白黒のホルスタイン種です。
全身薄茶色のジャージー種など人懐っこい牛もいますが、このホルスタイン種はとても臆病で、人間が近づくと離れていきます。
それでも、牛を大切に育てているところでは、近づいても逃げず、むしろ牛の方から近づいてきます。
このような牧場は良いと言えるかもしれないですね。
また、現場に出て、気づいたことがあったら書いていきたいと思います。