うさぎ

うさぎは鳴くの?

先日、あるツイートの反響がとても大きかったのでそのことについて詳しく書きたいと思います。

そのツイートとは以下になります。

動画の内容は獣医師がキャリーからうさぎを出そうとした瞬間に「キーッ、キーッ」と鳴いている様子が映っており、動画のタイトルが「うさぎも鳴くんです」といったものでした。

ここで1番の問題は動画をYouTubeにアップした方がうさぎが鳴くのを正常な行動だと誤って認識してしまっているところにあります。

正しく訂正させてもらうと、うさぎは滅多に鳴きません

たまに鼻をフンフンやブーブーと鳴らすことはありますが、うさぎが「キーッ、キーッ」と鳴くのは相当ストレスを感じている時にしか発しない鳴き声で、そのままストレスをかけ続けると半身不随や最悪の場合、死に至ることがあります。

諸説ありますが、自然界で捕食される側のうさぎは、捕食された際(ストレスを感じた際)に痛みを感じないようにするため、無理して生き続けようとはせず、息を引き取るのが早い動物で、それは飼育されているうさぎにも同様に言えることです。

キャリーから出す際に「以前、鳴いたことがあります」と伝えられたり、どの子が極度にストレスを感じやすいか分かれば事前にリスクの説明をできるのですが、こればかりはうさぎを多く診ていてもどのうさぎが鳴くかは分からず、診察時や保定時(動かないように抑えること)、注射時など何かしらストレスがかかるとごく稀に鳴くことがあります。(経験からすると200~300匹に1匹)

獣医師、飼い主だけでなくうさぎに関わる全ての方に知っておいて欲しいのですが、もしうさぎが「キーッ、キーッ」っと鳴いた場合の対応は、すぐに床の上に下ろし、手をうさぎの体に添える程度に当て、転げ回らないようにします。

診察台などの高さのある所に下ろしてしまうと転げ回り、そこから落ちて骨折などの怪我のリスクがあるので、できる限り床の上に素早く下ろして下さい。

そして落ち着いたタイミングでタオルで顔と体を優しく包み、素早くキャリーやケージに戻し、歩行可能かどうか、歩行に異常があるかどうか確認します。

万が一、半身不随になってしまった場合は動物病院でステロイドが処方されると思いますが、残念ながら歩行が元通りになる確率は低く、介護が必要になる可能性が高いです。

ただし鳴くうさぎは滅多にいないのでそこまで神経質にならず、鳴いた経験がある子を飼育されている方は動物病院に連れて行った際に一言「鳴いたことがあります」と言っていただければ幸いです。

以前の記事でも鳴く子について記載していますのでご参考にして下さい。