10月1日に天国へ旅立ったまめがどのような形で最期を迎えたのか綴っていきたいと思います。
まめの呼吸がおかしいと気づいたのが9月29日。
ひげをムキムキさせる呼吸をしている場合、触っただけでも亡くなってしまう可能性があります。
動物病院に連れて行って、獣医師が触った途端、息を引き取ったという話は少なからず耳にしますが、この呼吸を見極めないとそのようなことが起きてしまいます。
私が働いている病院ではうさぎに触れる前に必ず呼吸状態を確認し、ムキムキさせた呼吸をしている場合、オーナーさんに触れただけでもなくなる可能性があるということをしっかりとお伝えし、了承を得てから、出来る限りストレスをかけないようにレントゲンを撮り、酸素室へ入れます。
ですから、うさぎを飼われている方はこの呼吸の違いを頭の片隅に入れておいていただき、非常に危険な状態ということは覚えておいて下さい。
まめは9月29日の午前中に働いている病院に連れて行き、レントゲンを撮りました。
レントゲンでは空気は黒く写るので正常な肺は黒く写っていないといけないのですが、まめの肺は左の肺が真っ白、右の肺は一部黒く写ってはいるが大部分真っ白。
ここで考えられる病気は3つあります。
①細菌感染や誤嚥などで起きる肺炎
②心臓病などが原因で肺に水が溜まって陸の上で溺れている状態の肺水腫
③肺腫瘍や胸腔内(胸の中)の腫瘍
本来ですと、超音波検査や血液検査などをして、よりどの病気なのかを調べたいところですが、状態の悪いうさぎにストレスをかけるとそれだけで亡くなってしまうので、まずは呼吸を安定させます。
なので、呼吸が安定するまでは当たりをつけて治療していくしかありません。
今回もまずは肺炎、肺水腫に的を絞り9月29日から抗生剤、利尿剤(体の中から水分を出す薬)などを投与しましたが、翌日の9月30日になっても肺は真っ白の状態でした。
そして、10月1日の午前中に腫瘍にも範囲を広げて治療するため注射の準備をしていたところ、それまでジッとして動かなかったまめが急に5,6回真上に高くジャンプし、そのまま息を引き取りました。
この今まで元気がなかった子が急にジャンプをしたり、鳴いたりする様子が見られた場合、最後の力を振り絞っている可能性が非常に高いです。
呼吸が苦しい中、よくここまで頑張ったと思います。
その日の昼過ぎに酷だと思われるかもしれませんが、勉強の為、そして今後同じようなうさぎが来院した時の為にも胸の部分を解剖し、直径5cmの腫瘍を確認しました。
胸の8割を腫瘍が占めていて、右、左の肺共に腫瘍によって押しつぶされている状態でしたので非常に苦しかったと思います。
ここまで大きな腫瘍だと薬でどうこうなるものではなく、手術で取ろうにも手術中に亡くなる可能性が高かったのではと感じます。
ですが、肺炎が悪化するのを承知で最初から腫瘍に効くかもしれない薬を投与していたらどうなっていただろうか、そもそももっと早く気付けなかったのかなど後悔してもしきれない気持ちです。
ただ、悲しんでいる姿や後悔している姿をまめは見たくないと思うので気持ちを切り替えて頑張っていかなければなりません。
そんなまめとも亡くなった翌日の10月2日に火葬しちゃんとお別れをしてきたことで、少しばかり気持ちもすっきりしました。
初めて飼ったうさぎであるまめがこんなにも早く天国に行ってしまうとは思ってもいませんでしたが、約半年間、素敵な日々を一緒に過ごせて本当に良かったです。