放牧牧場を始めるに当たり直面する問題点~vol.3~

先日、放牧牧場をやるためにクリアすべき課題などを聞きに栃木県県庁や土木事務所、保健所に行ってきました。

率直に言いますと、いくつもの課題が浮き彫りになりました。

今回はそれらの課題と解決法を書いていきたいと思います。

まず、放牧牧場なのでそれなりに広い面積が必要で、そうなると森林法の林地開発に当たるため県の許可が必要になります。

県の許可をもらうには、測量・開発コンサルタントに牧場候補地の測量からどこにどんな建物を建てるのか、牧場のイメージ図の作成、県や町との事前協議、許認可申請書類の作成などを行なってもらう必要があります。

また、林地開発だけでなく、候補地は約10haと広大で大規模開発にも当たるため、それに対しての協議や許認可などが必要となります。

しかも、コンサルタントが測量~許認可申請書類の作成まで2~3ヵ月、そこから町の許可が下りるのが数ヵ月、さらにそこから県の許可が下りるのが平均6ヵ月と合計1年も要します。

牧場を始めるまでに長期間を要するのも問題ですが、コンサルタントに支払う費用も数百万から下手したら数千万かかる可能性があるとのことです。

今回の候補地は手付かずの山林なので測量するにも時間がかかる点や境界が分かりづらい点などから費用がかさむのは確実です。

また、木々を伐採し建物を建てるので雨水が麓の方に流れやすくなる為、一時的に雨水を溜める調整池が必要になる場合があるとも言われました。

コンサルタントが作成した資料を基に県が最終的な判断をしますが、今回は放牧牧場で伐採する木は必要最小限に留め、建物も敷地面積が合計100㎡以下で、山林の大部分を放牧地にする計画かつ、今まで実際に訪れた放牧牧場で調整池がある牧場は1件もなかったので、恐らく調整池は作らなくて済むかもしれません。

他の問題点では、始めようとしている牧場では馬も飼育し、乗馬のアクティビティも提供しようと考えていたのですが、これだと観光牧場となり、商業施設にあたるとのことです。

観光牧場、商業施設となると牧場に行くまでの道路の幅が6.5m以上必要で、今回の候補地は大体は6.5m以上の基準を満たしているのですが、一部6.5m以下となっています。

しかし、どこからどこまでの道路で6.5m以上の幅が必要と明確に条例に記載されている訳ではありません

牛を飼って、牛乳を出荷するだけなら”畜産業”とみなされ道路幅は関係ないとのことですが、牧場内に加工施設やカフェを作るとまた話は変わってくるそうです。

「カフェを作ると恐らく商業施設になってしまいますが、加工施設だけを作り、牧場内で販売するのではなく、道の駅やネットで販売するとなると商業施設にはならない気がする」と仰っていました。(県の方も間違ったことは言えないのでこのような言い方でした)

カフェをやりたい場合、道幅の問題もあり牧場内ではできない時は、牧場とは別の3000㎡以下の敷地(3000㎡以上だとまた別の条例に当たるため)で“牧場とは別の施設”という位置づけならカフェも開けるそうです。

酪農家が自分で絞った牛乳を加工から販売までを行うやり方は最近では少しずつ増えてきましたが、まだまだ少なく、話を聞いて法の整備が追い付いていない印象を受けました。

要するに許可が下りる下りないの最終的な判断は県になるとのことです。

6.5m以上の道路がどこまであれば可能と明確に規定されていないこともあり、道路幅が基準に達していない場合でも、多くの観光客が来る施設ではないと県が判断すれば、現状の道路の状態で観光牧場はできるということになります。

一般の方から聞いた裏話ですが、コンサルタントの力量よっても県の判断は変わってくると耳にしました。

県の公共事業を多く請け負っているコンサルタントだと要領が分かっていたり、あまり大きい声では言えませんが裏での繋がりなどがあり、簡単に言うと忖度があるそうです。

そういう話も耳にしていたので、ダメもとで県の方に「良いコンサルタントを教えてもらえませんか」と尋ねましたがやはりダメでした。

 

今まで書いてきた問題点をまとめますと、

①計画している牧場は林地開発に当たり、コンサルタントに依頼する必要あり

②林地開発・大規模開発の許可が下りるのに長時間を要する

③コンサルタント費用

④観光牧場のような商業施設だと道路幅を検討する必要あり

①~③に関しては全てコンサルタント費用で決まると思います。

コンサルタント費用が見積で数千万円かかると言われれば資金の問題もあるので、規模を縮小して始めることも考えなければなりません。

牧場の面積にもよりますが、規模縮小した場合、乗馬のアクティビティを提供することは難しくなりそうなので、牛だけを飼い、乳製品の加工場を作り、商業施設に当たらないよう近くにカフェを作るという”畜産業”としてやっていく方法もあり、そうすれば④の道路幅の問題もなくなります。

勿論、コンサルタント費用が資金面でクリアでき、今後の見通しがたてば夢である観光牧場をやれるのがベストです。

その為には今回記載した問題だけでなく、近隣住民の方への説明会などクリアすべき問題は多くありますが、一つずつクリアしていきたいと思います。

次回は牧場を始めるにあたり感じたことを書いていきたいと思います。